概要
Y-GSAの試験は1日で学科と即日が行われ、翌日に面接で即日やポートフォリの内容を問われるという日程になります。学科試験を終えたあとの5時間の即日設計ですので、かなりの体力勝負になります。
また試験合計得点600点満点の200点を占めるので、もちろんのことですが合格の分かれ目となる重要な科目です。
即日設計で出題される課題の傾向として、住宅・集合住宅と公共施設が交互に出題されることが近年多いです。
過去問から様々なビルディングタイプに触れておこう!
公共施設と言っても、仮設的なパヴィリオンや大きな宿泊施設など用途は様々です。数をこなして様々な規模やスケールに慣れていきましょう!
時間配分例
実際に私が行った配分を例に即日設計の時間の使い方を紹介します。
0:00〜0:30 エスキス
課題文熟読、必要図面、条件の把握
具体的な登場人物や利用者を想定しやすい用途(介護施設や教育施設など)の活動をイメージしながら、敷地に対してゾーニングをしていきました。敷地の特徴(往来の多い国道に接している、この方角は住居が密集している。など)とゾーニングを照らし合わせると自然とストーリーが生まれてくるので、そこに空間を与えるようにエスキスを進めました。(抽象的ですみません。笑)
0:30〜2:00 下書き
指定された用紙への図面等の配置検討、図面の芯の線を鉛筆で下書き
エスキスを踏まえて強調したい図面を目につきやすい位置にレイアウトしましょう!配置がおおよそ決まればマスキングテープで枠を作り、下書きを書き始める。
「今回の設計だとパースを強調しようかな。」という風にその都度強調したいものが変わる人が多いかもしれませんが、私の場合は断面パースが得意だったので断面図をメインにすることは決めた上で他の図面の配置を考えていました。皆さんそれぞれの得意な絵に合わせて下さい!
2:00〜3:30 ペン入れ
鉛筆の下書きをペンでなぞって、余分な鉛筆の線を消すまでをこの時間に行う。
一級建築士試験の製図でも言えることですが、構造となる躯体は定規でしっかりと線を引き、それ以外の間仕切り壁や添景はフリーハンドで描くことで時間を短縮させます。
構造体をフリーハンドで描くと画面が締まらないので注意!
3:30〜4:00 パース
基本的にどの課題も内観と外観のパースを一枚ずつ描くことが求められると思います。
下書きの段階での話ですが、必要図面をレイアウトした後にパースを入れる枠を検討するので課題によって残されるパースの枠は大きく変わるので様々な大きさの枠でパースを描く練習をするのがオススメです!私は本番で縦に細長い内観パースを描きました。
4:00〜4:30 ダイアグラム・文章
課題で〇〇字以上のコンセプト文を書け。と指示された場合は、その字数以上のまとまった文章を書きます。しかし、Y-GSAのこれまでの合格者の即日設計を見ると断面図や平面図などに引き出し線を用いて短い文章を散りばめる人がほとんどでした。(中庭から□□への視線が抜ける。大きな開口を介して△△と◯◯が交流する。など)
4:30~5:00 着彩
着彩用具はコピックや色鉛筆など様々ありますが、私は水彩を用いました。(圧倒的に塗れるスピードが早いと思うので!)本番で時間が少なくなってしまった事態を想定しても水彩の方がオススメです。
最後にマスキングテープの剥がし忘れと受験番号の記入の確認は注意して下さい!意外と焦りで忘れる人が多いので。
面接
前日に行った即日設計とポートフォリオの説明をします。4人ずつ呼び出され、教授陣と向かい合う形での面接となります。
自分の描いた即日設計の用紙を持った状態で簡単に説明をします。ここで自分が紙面で伝えきれなかったコンセプトなどを伝えましょう。人によってはそこで教授陣とのやりとりがあるかと思います。
また、ポートフォリオの内容についても質問されます。一つの作品または全体を通してなど質問は様々なのでいろんなシチュエーションを想定しておきましょう。
短すぎず、長すぎずに簡潔に回答を考えよう!
私は大西さんから全体を通しての印象を簡単にまとめていただいた後に質問をされました。
まとめ
Y-GSAで評価される即日の特徴として、形態や空間の話よりゾーニングや人の関係性のデザインによって場に何をもたらすことができるか。が重要になると思います。
課題の要件に具体的な人物の設定などが与えられる年もあるので、敷地の特徴を瞬時に読み解いた上で生まれうる登場人物のストーリーを思索し、設計を行っていきましょう!
また当サイトでは私を含めY-GSAに合格した体験談を掲載しているので、計画を立てる際の参考にしてください!
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