2023年度入学入試にて京藝術大学大学院に合格した友人の合格体験談を紹介致します。
ー以下、友人による体験談ー
私の大学の学部4年前期では制作課題と卒業論文が並行するスケジュールだったため、短い期間での受験対策となりました。友人や先輩にポートフォリオや即日設計を講評してもらうことでモチベーションを維持しながら乗り切れた大学院受験だったと振り返ります。
スケジュール
4月〜6月(制作課題・卒業論文期間)
ポートフォリオ制作、西洋と日本の建築史の通史を理解
7月
上旬:大学の用事が終了、構造の教科書に取り掛かる
中旬:歴史の過去問から解答を作成開始(その内容を暗記)
下旬:志望研究室の事前面談(印刷・製本したポートフォリオを持参)
8月
上旬:出願、構造力学の過去問解き進め
中旬:即日1回目(少し遅かった)、英語の過去問解き進め
下旬:ポートフォリオ修正(データ提出に向けて)、小論文作成、即日2・3回目、構造力学の教科書を一通り終わらす
9月
上旬:ポートフォリオ・小論文の提出、即日4回目、建築史の暗記を一通り終わらす
中旬:即日5・6回目、力学(1番自信がなかった科目、ギリギリまで演習)、歴史を合間に復習
9月21日:学科試験・面接
9月22日:即日設計
9月23日:即日設計のプレゼン・質疑応答
9月29日:合格発表(合格)
ポートフォリオ
ポートフォリオのデータ提出には容量の制限があります。事前面談までに作成したものは製本前提だったのでデータ量を気にしていませんでしたが、締切直前までデータの圧縮に時間がかかったので提出を見据えたポートフォリオの準備をしましょう。
また、事前面談の段階で教授の感触は良かったので少しの修正のみで、提出までの残り時間を学科と即日設計に充てることができました。事前面談までにある程度納得のいく仕上がりを目指すのが良いかもしれません。
学科試験
学科は参考図書を記しますのでそれを何度も読み返したり、暗記用の本を作るなどしてみてください。
建築史
例年のパターンがあります。出題者は光井渉教授です。過去問をみて、パターンを理解した上で勉強すると効率的です!
参考書については下記の記事をご覧ください。
西洋建築史についてですが、自分はこれといった本を見つけることができませんでした。また、建築史はどれだけ知識をつけても試験問題の三分の一から半分は初見の建物になると思います。(自分はそうでした)
建築の写真と知識を紐づける必要があるので、私はANKIというアプリを使いながら効率的に学習を進めました!
構造力学
例年は、6割が静定構造、不静定構造の問題、残りが建築の構造デザインの問題になると思います。
静定、不静定構造の問題
建築構造力学の本で、作図ができるようにしておいてください。作図の際、具体的に数字などを書く必要はどうやら無いらしく、同級生に聞いた話では、計算をしなくても作図ができるらしいです。自分は運よく解けて何とかなったのですが、よくわかりません。
構造デザインの問題は、出題された建築の構造について説明する問題です。
参考図書:空間 構造 物語ーストラクチュラル・デザインのゆくえ、構造デザインマップ 東京、など
他にも良さそうなものを探して1、2冊軽くでも読むといいと思います。
英語
和訳か極稀に英訳するだけで、内容は建築の専門書です。
ほとんどリーディングなのでTOEFLなどの学術的な単語を扱う、英単語本を暗記すれば何とかなると思います。対策方法としては、持っている建築の専門書で和訳と英訳がついているもの(英語のみでも可)英語をひたすら日本語に訳して練習するなど、だと思います。
即日設計
即日設計は、年によって試験時間も出題されるテーマも異なります。試験時間に関しては、募集要項に記載されているため、その年の時間に合わせて練習すると良いと思います。
毎年全く異なる個性的な問題が出題されるので、コンセプトや設計などの決め打ちは効果がない印象を受けました。(ウワサ程度ですが、毎年異なる教授が出題しているとの話を聞いたことがあります。。)
さいごに
大学院の受験はとにかく情報が少ないため外部から受験する方は、特に情報戦になるかと思います。志望先の研究室が決まり次第すぐに先輩の連絡先を入手するなど、行動にかなりのエネルギーを使いますが、私の合格体験が読んで下さった方の一助となれば幸いです。
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