即日パース講座では、即日設計に使えるパースの描き方をご紹介してます。今回は第二回目:二点透視図法を用いた内観パースの描き方です。
正確なパースの描き方を丁寧に解説するというよりかは、即日設計という限られた時間の中でいかに短時間で効果的なパースを描けるかという点で筆者のパースを描く「ノリ」ようなものをご紹介できればと思います。
内観パースは一点透視図だけでなく、二点透視図法でも描くことができます。
二点透視図法は消失点が二つあり、一点透視図よりも少し描き方がややこしくなりますが、一点透視よりも情報量が多い空間を見せることができます。
描き方の手順
① アイレベル、消失点の設定を行う。
まずは前回同様にアイレベル(目線の高さ)を設定し、その上に今回は消失点を二つ設定します。
今回は解説上、消失点を画面内に設定していますが、二つの消失点の距離が近いとパースが効きすぎた違和感のあるパースになってしまうので注意です。
② 内観の奥行きとなる壁面と平面の大きさをとる。
一点透視図の内観パースと同様に室内空間の最も奥にある壁面の形を取ると同時に、二つの消失点のパース線に乗せた室内の平面を描いていきます。(今回はL字型の平面にしました。)
③天井、床のラインを補助線を元に床面を確定させる。
床の補助線をなぞり平面形が取れたら、左にある「消失点1」から伸ばした天井のラインとぶつかるように壁を立ち上げていきます。(この部分の壁面は一定の高さであるため、パース線をなぞっています。)
④ 天井と壁面を描き、開口部の高さの補助線を引く。
右にある「消失点2」方向の壁面の天井を繋げて、切妻屋根状の天井が見えてきました。ここで、それぞれの屋根勾配を強調するための梁を消失点に向かうように描いていきます。
壁面、天井が確定したら次は開口部の位置を検討するための補助線をパースに乗せて引いていきます。
※ここでは奥行き方向に向かって立つ壁面のみに開口部が設けられているため、「消失点1」に向かっていく補助線のみとなっています。
⑤ 補助線を元に開口部を描く。
④で描いた補助線を元に開口部を描き込んでいきます。奥に行くほど画面上で見える面積が小さくなっていくのでそこに注意しながら違和感のないように仕上げます。
⑥ 床や天井の詳細をパースに乗せて描いていく。
天井の母屋にあたる部分や床のフローリングを「消失点1」のパースに乗せて描いていきます。④で描き込んだ開口部の解像度に合わせることで画面全体が締まって見えます。
⑦ 添景を書き入れていく。
最後に二つの消失点のパースに乗せながら添景を描き込んでいきます。目線の高さに設定しているアイレベルをガイドにしながら近景と遠景の人、さらには子供や座っている人の大きさも導いて描き込んでいきます。
まとめ
今回ご紹介した二点透視図法の内観パースは、お気づきの方もいると思いますが、即日パース講座① でご紹介したパースと同じ建物を別の構図で描いたものとなっているのです!
即日パース講座①でご紹介した一点透視図法で描いたパースは、メインとなる一つの空間に焦点を当てている点が特徴です。一方で、今回ご紹介した二点透視図法で描いたパースは、手数が多く複雑ですが、広い画角になっており、建築の構成が伝わるパースとなっています。
このように、同じ建物の内観をパースに描くにしても伝わる情報が透視図法の選択によって大きく変わってくるので、即日設計において自身が伝えたいコンセプトや空間を効果的に伝えられるように使い分けていきたいですね!
この「即日パース講座シリーズ」では、本記事の他にも外観パースなどのコツをご紹介しています。
即日設計にてパース表現をする際の一助になればと思います!
コメント