即日パース講座では、即日設計に使えるパースの描き方をご紹介してます。今回は第一回目:一点透視図法を用いた内観パースの描き方です。
正確なパースの描き方を丁寧に解説するというよりかは、即日設計という限られた時間の中でいかに短時間で効果的なパースを描けるかという点で筆者のパースを描く「ノリ」ようなものをご紹介できればと思います。
透視図法について
透視図法は主に三種類あり、一点透視、二点透視、三点透視と消失点の数によって異なります。
また、アイレベルと消失点の位置で構図を決定することが可能となっています。
下図のように、アイレベルの高さを変えることで床面、天井面などの強調することができ、消失点の位置を左右に寄せることで一方の壁面を強調することができます。
<アイレベルの設定による表現>
<消失点の設定による表現>
一点透視図:内観パースの描き方
① アイレベル、消失点の設定を行う。
消失点は、奥行き方向の線となるパース線が集まる点です。アイレベルとはここでは人の目線の高さに設定した地平線のラインです。
今回はアイレベル、消失点ともに画面の中央に設定するスタンダードな構図とします。
② 内観の奥行きを設定しその壁面の大きさをとる。
室内の一番奥にあたる壁面を最初に設定しました。今回設定したアイレベルは人の目線の高さなのでそれを元に室内の高さと壁面のプロポーションを決定しました。
③ 天井、床のラインを消失点のパースに乗せ補助線を引く。
②で描いた奥行きの壁面の四つの角を通り、消失点に向かう補助線を引きます。この線によって室内の奥行きのある空間を生み出します。
④ 補助線をなぞり奥行きのある空間が完成。
③の線を清書したものです。片流れ屋根の形状の室内が見えてきましたね。しかし、このままでは情報が少ないので、必要な要素を付け加えていきます。
この段階で「もっと奥行きが欲しい!」「なんだか思ってた広さじゃないな。」といった違和感がある場合はもう一度 ②の壁面の大きさを設定し直しましょう。
⑤ 開口部の位置、高さのパースの補助線を描く壁面の高さ関係を元に引く。
アイレベルの高さから壁面に設けられている開口部の高さを導き出し、パースに乗せた補助線を引きます。
また、パース線に乗せた床のフローリングの表現、斜めの天井を支える等間隔に配置されている梁を描き、画面の密度を上げていきます。
⑥ 各開口部の清書を補助線に乗せて描いていく。
⑤で引いた補助線と柱間をもとに開口部の絵が描けました。天井部分も梁の上に載る母屋の表現をパース線にのせてやんわりと描いています。
透視図の特性上、奥に行くほど開口部などの間隔は狭くなっていくので、注意して描き込んでいきましょう。
⑦ 添景を書き入れていく。
最後に目線の高さであるアイレベルを元に室内にいる人を描き込み、この空間での活動を想起させる添景を書き込んでいきます。
また、窓の外もなんとなく書き込むと外部空間との関係性をパース内で表現することもできます。
まとめ
今回ご紹介した一点透視図は透視図の基礎と言えるものです。
実際に筆者が受験対策をする中で、即日設計で内観パースを描く必要がある場合には、まずはじめに今回のような中心に消失点を持ったスタンダードな一点透視図をエスキース時に検討していました。
その中で、設計の見どころやコンセプトを反映できているかを確認し、アイレベルや消失点の設定を見直すことで、効果的な表現を模索し反映させていました。
この「即日パース講座シリーズ」では、本記事の他にも二点透視図や外観パースなどのコツをご紹介しています。
即日設計にてパース表現をする際の一助になればと思います!
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