実際に合格した私が使用した参考書と他の東大生が使っていた書籍をまとめました。
受験日が近づくにつれて、過去問から傾向や頻出の問題を整理して対策を進めていくことになると思いますが、過去問に挑む前提の知識は参考書から学ぶ必要があると思います。
各参考書のポイントや進め方をまとめていますので是非ご活用ください!
また、他大学院の参考書と内容が重複するものもありますのでご了承ください。
歴史
カラー版 図説 建築の歴史: 西洋・日本・近代(西田 雅嗣、矢ヶ崎 善太郎 著)
まずは、建築の通史をこの教科書から一通り学びましょう!
タイトルの通り、西洋・日本・近代の歴史において重要な建築物と歴史的背景が多くのイラストを用いて紹介されており歴史を学び始める方にとって取り掛かりやすい教科書になっています。
社会的背景と建築の変遷を理解するのに長けた本ではありますが、一方で本当に重要な建築しか出てこないので試験範囲の建築はカバー仕切れてはいません。あくまで、過去問に挑む下地づくりとして位置付けておきましょう。
この本はどの大学院受験でもオススメしているので、併願を考えられている方も是非読んでみてください!
建築と都市の歴史(光井渉、太記祐一 著)
初めに紹介した本より、事例の紹介が圧倒的に多いです。
時代の社会的変遷は正直追いづらい本ではありますが、通史をある程度理解した上で肉付けをしていく感覚で取り組むと理解しやすい本だと思います!
東大の問題は建築や都市計画などの事例が多く出題され、事例ごとに年代や様式、設計者などが問われるのが最近の傾向なのでとにかく数を覚えることが重要になります。
毎年、過去問にない新しい問題が出題されるのでインプットには終わりがないですが、積極的にこの本で事例を覚えることをオススメします。建築の写真を見てある程度の年代や様式などが分かるようになれば初めてみる事例にも対応できる力が付きます!
都市史図集 都市史図集編集委員会著
日本だけでなく、アジアやヨーロッパなどの都市計画が図で多く掲載されています。先ほども伝えましたが、試験では図だけが出題され、計画名や計画者を答える年が多いので図を見たことあるだけでも十分戦う力が付きます!
材料構法
建築構法 第五版(内田祥哉 編著)
この一冊の内容が基本的に出題されます。
掲載されている図表がそのまま出題された年もあるので隅々まで暗記しましょう!
ちなみに内田祥哉先生は東大出身で日本で建築構法という分野を確立し普及させた第一人者の方で、今でもこの本はどの大学院受験でも必須になる本として扱われています。
3D図解による建築構法
出題される図表に関してはこちらの本の方からの掲載が多いです。
はじめに紹介した「建築構法」と内容としては重複しますが、タイトルにもある通り3Dの図解がとても分かりやすいので、覚えた知識をイラストと紐づけるための本として使いましょう!
初めての建築材料
最近の傾向として、構法だけでなく材料の問題が出題されることが多くなりました。
木材のヤング係数や鋼材の比重などの数字を中心に暗記していきましょう。ここまでに紹介した構法の本だけでは材料の内容は網羅できないので、必ず読んでおきましょう。
構造力学
建築学テキスト 建築構造力学<1> 静定構造力学を学ぶ
後半には部材の断面や変形について掲載されています。最近の傾向として、全体の系だけではなく変形の際の断面の最小単位での変化といったミクロな視点も問われているので、テキストの隅々まで理解しておきましょう!
建築学テキスト 建築構造力学<2> 不静定構造力学を学ぶ
私はこの本に掲載されているD値法やマトリクス法は用いずに過去問を解いていたので個人的に取り組む必要はないと思います。
また、この本に加えて不静定の範囲では単位荷重法やカスティリアノの定理、たわみ曲線の方程式などを用いて計算すると解きやすい問題が多いので使えるようになっておきましょう!(微分積分を用います。)Youtubeなどで紹介されているので確認しておきましょう。
合格対策 一級建築士受験講座 学科Ⅳ(構造)
私はこの本を中心に過去問以外での演習を行なっていました。
一級建築士の構造を網羅した内容で、初歩的な内容から発展まで一通り掲載されているので最初に取り組むテキストとしてもオススメです。かなり分厚いですが、丁寧に多くのテキストで解説されているので意外にサラッと学習することができました。
後半は一級建築士試験向けの文章を暗記する内容なので、計算に関する内容を取り組めば問題ありません。
建築計画
建築計画 改訂版 (長澤 泰 著)
試験では各ビルディングタイプで用いられるモジュールや用語がよく問われます。(例えば、日本のNU[ナーシングユニット]は50~60床要求されるなど)
ビルディングタイプごとでの要点を抑える際はこの参考書で十分です。また各章で紹介される事例も有名で試験にも出題されるので抑えておきましょう。
1級建築士試験学科ポイント整理と確認問題
東大の建築計画は特に一級建築士試験と似た問題が出題されます。過去に出題された建築計画の事例も一級建築士試験で出たものがほとんどです。
また、各ビルディングタイプで用いられる数字や英語の略語もこの本から暗記する方がいいです。
毎年、新しいものが出版されるので最新版を購入することをオススメします。
最新版のリンクを貼っておきました!(2024.11.6 現在)
環境工学
はじめての建築環境工学 (小林 茂雄 著)
文字通り、はじめて環境工学を学ぶ方はこの参考書から始めることをオススメします!
基本的に次に紹介する「最新環境工学」の内容で試験対策を進めていくのですが、重複する内容が多いです!
言い換えると、ベースを「はじめての建築環境工学」から学んだ上で肉付けをする感覚で次のステップに進めるので効率的に勉強できるかと思います。
最新建築環境工学 改訂4版
過去問を解く段階になっても、この本を参照していくことになると思います。そのくらい内容が充実しています!
この本もどの大学院受験でも使われる参考書のため、各範囲の詳細な部分まで記載されているのですが微分積分を用いた式の導入などは必要がないので過去問と比較しながら、不必要な内容は切り捨てながら学習を進めていけば基本的に試験で出題される内容は理解できます!
ちなみに私は英語の略語(VAV、CECなど)や単位換算が苦手だったので、ノートにまとめていました。
まとめ
年によって試験内容の傾向は変化していきますが、参考書に関しては今回紹介したもので十分対応できます!
過去問からあたりをつける際も完全に切り捨てるのではなく、試験内容の変化を見越してまんべんなく参考書を理解しながら試験当日まで準備を進めてください!
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