横浜国立大学大学院 建築都市デザインコース(Y-GSA) 合格体験談②

合格体験談

2023年度入学入試にて横浜国立大学大学院(Y-GSA)に合格した友人の合格体験談を紹介致します。

ー以下、友人による体験談ー

学部4年生の時に意匠系のゼミに所属し、授業やゼミの活動と並行して大学院入試に取り組み、現役合格しました。当時のスケジュールや勉強法など参考にしていただければと思います。

スケジュール

3月

上旬:志望する大学院の決定 Y-GSAの先輩と知り合う TOEIC1回目(370)

4月

上旬:ゼミ、設計課題がスタート 過去問の入手と解答作り開始 TOEIC2回目(500)

5月 

上旬:ポートフォリオ作り開始、設計課題敷地調査

下旬:設計課題中間発表  過去問の解答を作りながら参考書を読み進める TOEIC3回目(480)

6月 

中旬:初めての即日設計(全く終わらず)、友人の即日設計を見て焦る。過去問の解答作りと暗記のためのノート作りに入る。

下旬:設計課題提出、この課題の作品をポートフォリオに載せるため設計課題に専念していたため、院試関連の勉強はあまりできませんでした。。

7月

7月19日 出願、卒業研究の調査

中旬:学内講評会、卒業研究提出・発表、苦手な即日設計の水彩練習。 

下旬:ようやく院試に専念。学科試験の科目ごとに日替わりで暗記。過去問をベースに学科試験の対策をしました。

8月

上旬:継続して学科対策をしながら即日設計の頻度を増やす。(計8回の即日設計の練習)、ポートフォリオの完成。過去問はようやく一周目を終えました。

中旬:試験前1週間は、毎日即日と学科試験の復習をセットで取り組む。ポートフォリオサマリーの作成。学科試験対策は、苦手な構造力学と建築史の暗記の仕上げを中心に行いました。

8月22日 午前 学科試験、午後 即日設計

8月23日 面接、即日設計の質疑応答

9月

9月7日 合格発表(合格

学科試験

学科試験は13科目から4科目選択し、1科目50点、計200点満点の試験です。私は建築計画、建築史・建築芸術、建築材料構法、建築構造力学の4科目を選択しました。

選択する科目は自由ですが、過去に受験した先輩が受けていた科目や自分が得意とする科目をもとに選択しました。意匠系の研究室に所属している受験生は大体この4科目を選択することが多いと思います。

先輩などから教えて頂いて私が実際に使用した参考書は以下になります。

即日設計

即日設計の試験は、A1サイズの試験用紙(ケント紙)に当日与えられた設計課題に対して5時間で、図面やパース、ダイアグラム等を用いて手書きでプレゼンテーションする200点満点の試験です。

出題される建築の規模は様々で、住宅規模から公共施設規模など様々です。私が受けた年度の試験では、住宅の課題が出題されました。

即日設計の練習を全7回行いました。初回は全く終わりませんでしたが、徐々に時間配分や図面表現などの感覚を掴んでいきました。Y-GSAの即日設計の試験時間は5時間なので効果的にフリーハンドを用いて回数を重ねるごとに時間短縮をしていきました。

ポートフォリオ

ポートフォリオ試験は、20ポケットのA3クリアファイルに自分の過去作品で構成した作品集を提出する試験です。1日目の学科試験の日に、A3クリアファイルのポートフォリオと、その内容をA4の用紙にまとめたポートフォリオサマリーの2点を一緒に提出します。

Y-GSAはポートフォリオが非常に重要視されていると聞きました。先輩や合格者のポートフォリオを見てみると、学部の作品制作を通して得た自分なりの考え方の軸などが現れているポートフォリオを作成している人が合格者に多い気がします。

また、建築の図面やパースのビジュアルの強さも大切ですが、その作品ができる思考過程から建築設計に落とし込むまでの構成が現れているポートフォリオが多い印象を受けました。

英語試験

Y-GSAの英語試験は、TOEIC、TOEFL、IELTSのスコア提出によるもので配点は100点満点になります。私のTOEICスコアは500点でしたが、なんとか合格することができました。点数換算すると500点で50点くらいになります。

このスコアだと他の科目でミスした場合確実に不合格に近づく点数だと思うので、700点台のTOEICスコアがあると安心だと思います。

受験を終えて

私の実際に受験した直後は4科目は以下のような印象でした。

英語:他の科目が失敗できないくらいピンチ

即日設計:コンセプト、紙面の密度ともに自信あり

学科試験:8割以上は取れている印象

ポートフォリオ:Y-GSAの考え方に近い思考であった為自信あり

さいごに

Y-GSAは日本を代表する建築家である4人の教授のスタジオを履修する形式の教授ごとの研究室を持たない日本では珍しい大学院です。

半年ごとに各教授の思想に触れながら自身の考えを形成する内容の濃い2年間を過ごすことになるので、建築家を目指している受験生はぜひY-GSAを考えてみてはいかがでしょうか。

記事への質問などはコメントにて対応しますので、気になった方は気軽にコメントいただければと思います!

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